2024.03.27

ピアノの癒し効果-“美しく眠る”クラシック音楽で、音の“減衰”による究極の癒しを体験

ピアノの癒し効果-“美しく眠る”クラシック音楽で、音の“減衰”による究極の癒しを体験

ここであなたにクイズを。

「洋琴」とはいったいどんな楽器でしょうか? 

ヒント:西洋から日本に入ってきた琴という意味です。

その答えは…

 

そう、「ピアノ」です。

 

秋の空気が少しずつ流れ込み、清々しく感じられる季節になってきました。

秋と云えば、食欲の秋であり、芸術の秋でもあります。

牛飲馬食のように身体に負担をかけるのではなく、心が豊かになるように良い栄養を摂りたいもの。

お勧めはミューズ(Muse)の神から頂いた音楽(music)といえましょう。

 

癒しの音色を持つ琴の"減衰"

音楽の持つ癒しの効用は、古くから知られています。

 勇敢な戦士であったダビデ(David)は竪琴の名手でもありました。

ポロロンと演奏すると、神経衰弱で病んでいた国王の心を優しく癒したのです。

ここで、琴の音色について考えてみましょう。

ピンと張った弦を引っ掻く場合、その音の特徴とは? 

立ち上がりがシャープで聴き取りやすく、そのあと減衰します。

減衰し静かに消えてゆく音を聴くことで、ゆったりと落ち着いた気持ちになるのです。

 

ピアノの癒し効果と医療現場での活用

ピアノの綺麗な音色を聴いて、心の中でいろいろなイメージを膨らませると、良い眠りへと導かれるでしょう。

これは音楽療法の専門的手法でも活用されています。

指で鍵盤(key)を叩くと、強く張られた弦がポンと打たれて音が出ます。

この仕組みとして、内部にあるアクションが微妙に動くのが鍵(key)なのです。

反響板で多くの音が増幅されて共鳴し、融合することに。

専門的な話で恐縮ですが、10本の指と3本のペダルを駆使して、瞬間芸術ですぐに減衰し消えてしまう音楽を極彩色の音色で表現しています。

もし、夜空に広がる綺麗な花火がずっと夜空に残っていたりすると、びっくり。

消えるから美しいのでしょう。

 

おすすめのピアノ音楽&動画

→上記動画に使われている音楽はこちら

 

 

医学博士推奨~美しく眠るピアノ

音楽はミューズの神から人類に賜った最高の芸術といえましょう。音楽は人を癒す秘めたる力を内在し、「音の薬」として心の各レベルに直接働きかけます。筆者は内科医および音楽療法士であり、睡眠薬の代わりに音薬の活用を提唱してきました。その中で、気持ちよく寝られる標準的音薬として、バロック音楽や水のせせらぎ、打ち返す波の音などのカップリングが推奨されます。

本CDに収められているのは、バッハとサティによる珠玉の19曲です。最初の「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」は、音楽の父J.S.バッハが不眠症で悩むカイザーリンク伯爵のために書いたとされる作品。当時から音楽療法の概念が存在していたとは驚きですね。その演奏では透明感がある音色が響きわたり、微妙な質感が秀逸です。10曲目の「サティ:グノシエンヌ第1番」では、意識が宇宙空間で浮遊しているような不可思議な世界を感じます。18曲目の「バッハ:羊は安らかに草を食み」は、展開部での魅力溢れる表現により、幸せな気持ちで夢の世界へと誘ってくれるかのようです。

 音楽を日々の生活の一部に取り入れてみてください。太古の昔から、愛情溢れる母親が子供を寝かしつけるとき、語りかける童話や子守歌が最良の音薬かもしれませんね。

 

◆板東先生の豆知識

~音が減衰しない楽器 

減衰しない音色も存在しています。

楽器ならパイプオルガンや管楽器、弦楽器、動物の鳴き声や唸り声、人の声や歌、蒸気機関車や汽車の汽笛、列車や電車の警笛などあらゆるものが含まれます。

その特徴は、立ち上がりがマイルドで、途中から音量を上げたり、音色を変えられたり、微妙に調節ができることです。

 

極上の睡眠~トップ・スペシャリストによる快眠コラム

ショートコラム連載第6回は、板東浩先生による「ピアノの癒し効果-"美しく眠る"クラシック音楽で、音の"減衰"による究極の癒しを体験」でした。

●癒しの音色を持つ琴の"減衰"  
●ピアノの癒し効果と医療現場での活用 
●おすすめのピアノ音楽&動画 
●板東先生の豆知識~音が減衰しない楽器 

 

 

【トップ・スペシャリスト プロフィール】

板東浩

医学博士
日本統合医療学会四国支部長
徳島県糖質制限研究会代表

徳島大学卒業、ECFMG資格取得後、米国でfamily medicineを臨床研修。専門領域はアンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学など。アイススケート選手として国体出場(1999 ~ 2003)。第9回日本音楽療法学会大会長(2009)。第3回ヨーロッパ国際ピアノコンクール(EIPIC)in Japan銀賞(2012)。日本プライマリ・ケア連合学会大会長(2017、高松)。
糖尿病関係の英文医学雑誌4誌のEditor-in-Chief(編集長,2022)。著書30冊以上、印刷物2,000以上、英語論文300以上。「新老人の会」徳島代表。

公式サイト:https://pianomed.org/

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